the Cool girl and the Hot boy Entertain Every people Reading this story
                               - C . H . E . E . R - Another Story

朝学校に来てみると、なんだか騒がしい。 席に鞄を置いて、周りの雑談に耳を傾ける。 「一年に転入生?」 「そう、なんでも、凄い美人らしいよ」 転入生か。結構誇張されてる節もあるから要注意、っと。 俺は席に座って、何もせず、頬杖をついてボーっとしていた。 そのままウトウトし始めたとき、肩をぽんぽん、と叩かれた。 「ん? どうした、玲?」 腰に手を当てて、玲がこちらを見据えている。 なんとなく、嫌な予感。 「転入生を見に行こう」 「は?」 「なんか、同じニオイを感じる」 玲の言葉を聞いて、玲に鼻を近づける。 くんくん。何もにおわないな。いや、その意味じゃないのは分かってるが。 「お前、香水なんかつけてないだろ?」 あえてボケる。 「そのニオイじゃないよ」 「どんなニオイだ?」 「同族」 「さいですか」 周りを見渡す。皆が皆、相談している。どうせ、野次馬根性でも爆発させるきなんだろ。 まあ、皆も見に行く気満々だし、行ってみるか。 「で、教室に来たわけだが」 「見えないね」 すでに廊下は人、人、人。しかも、背の高い男子が前を陣取ってるため、見えない見えない。 俺ですら跳ばなきゃ見えない。まして、背の低い玲なんか見えるわけが無い。 「見えない」 何度も跳んでみるが、やっぱり見えない。見ようと苦労しているようだ。 俺は、ふぅ、とため息をついて何気なく周りを見た。 なぜか、教室から抜け出ていく男子を見かけた。 「あ、神崎君だー」 「ほっといてやれよ」 「えー、クーちゃんの話聞きたいのにー」 どうやら、彼が噂の転入生の相方のようだ。しかし、早過ぎないか? まあ、そんな疑問はおいといて。どうも、人の居ない方に向かっているようだ。 俺は彼についていこうと、頑張って跳んでいる玲に気づかれないよう、そろりと廊下を後にした。 数分探した。その間に、コーヒーも買った。ついつい。 屋上に彼は一人居た。ココアを持って、物思いに耽っているようだった。 露骨に近づいていっても、気づかない。自分の世界に入りこんでいるようで、独り言が聞こえた。 「……どうにかして、平穏な生活送りたいなあ」 「最初の方はムリだ、うん」 話にあわせてみる。 「そうですか……」 お、のったぞ? 「あぁ、ムリだな。 まぁ、慣れりゃ皆スルーしだすから」 「そうで、って、え?」 そこでこちらを見て、仰天する彼。 やっと気づいたか。そこで、じろじろと細かく見ていく事にする。 黒で、短髪。結構つやつやしてるな。童顔だな、中学生に見えないことも無い。ちょっと細めか。 「もしかして、もしかすると、羽里先輩?」 これは驚いた。ちょっと悲しいな。 「おー、俺も有名になったなあ」 声に出して感激を吐き出す。どうせ、狼藉のせいなんだろうなあ。 俺は、なんとなく恥ずかしくなって、缶コーヒー「上司 微糖」を飲んだ。 口の中に、心地よい苦さと酸味が広がる。砂糖が入ってないとやっぱダメだな。うむ。 「先輩は何してるんですか?」 俺は、にかっ、と笑い、明るく言う。 「ん? なんとなく」 「なんとなく? どうして?」 質問文に対し質問をするとテスト0点だぞ、神崎くん、だっけかな。 「神崎くんと同じかもしれないな」 彼は即座に、あーね、と言った顔をした。 「そうですか」 どうも、同じような相方を持ったみたいだ。なんとなく親近感が。 でも、彼は俺以上に振り回されるタチだな。学校生活は楽しめないかもしれない。 「まあ、一つだけアドバイスしておく」 お節介かもしれないが、言っておこう。 彼は息を飲んだ。俺、なんか悪いことしたかな? 「どんな行動をされても、気にしない。 驚いてばかりじゃ、疲れるからな」 言い終わり、最後の一口をくいっ、と飲み干す。 彼はかたまったまま、動かないで居た。 「返事は?」 そこで彼は、はっ、とした。緊張か? 「は、はいっ」 緊張よりも、唖然、の方が強いか。 「よろしい。 じゃっ」 俺は右手を振り、さよならの挨拶をした。 彼は再び固まって動かなかった。んー、気に留めてくれるとありがたいなあ。 屋上を後にして、廊下を歩いていると、後ろから物凄い音が。 振り向くと、鬼の形相をした玲が、すさまじいスピードで走ってきていた。 逃げようとしたが、既に時遅し。玲はスピードに自分の体重をのせ、俺を押し倒した。 廊下に重なって倒れる俺と玲。俺は上半身を起こし、苦情を言おうとした。 「いててて……なにす」 むにゅ。もにゅ。 「な、ななな、な!?」 周りの視線は、玲の手元と、俺の手元、そして、玲の胸に集まっていた。 「私の前から居なくなったバツ。 ほんのちょっと、淋しかった」 俺は、絶叫した。
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